「人と地域に新しい流れを作りたい」中津・三光地域おこし協力隊がクラウドファンディングに挑戦中
公開日:2022年08月30日 (更新日:2024年04月11日)
ライター:ぶぜんノート
市外から移住して地域創生活動を役所や地域の人と連携して活動する「地域おこし協力隊」を皆さんご存知でしょうか。
中津市では旧中津市以外の四つのエリア(三光・耶馬溪・本耶馬渓・山国)で各地域おこし協力隊が活動しています。
その中の一つである「三光地域おこし協力隊」が、現在クラウドファンディングに挑戦中。
毎年10月中旬から11月下旬に開催される「三光コスモス祭」の期間中10月29日(土)に、子供も大人も楽しめるハロウィンイベントを行うための資金援助を呼びかけるものです。
「クラファンの成否関わらず必ずイベントを開催しますので、ぜひ遊びに来てください!来た人も用意する人も楽しんでつながりができたり、そこでコスモス園や八面山をもっと人に知ってもらえたら嬉しいです」と仰る地域おこし協力隊の方を取材しました。
隊員になって3年目、あと少しで任期満了「地域おこし協力隊」の尾上さんと山田さん
中津・三光地域おこし協力隊のメンバーは、尾上直樹さんと山田毅さんです。
それぞれ任期満了まであと5ヶ月、8ヶ月というお二人。
尾上直樹さんは熊本県出身、山田さんは福岡県出身。
地域おこし協力隊になるために中津市に移住してきたそうです。
そもそもなぜ中津で地域おこし協力隊になることを決めたのか。
応募した経緯を尋ねてみました。
尾上さん:
僕は地域おこし協力隊になる前、営業としてずっと勤めていた会社が転換期で自分自身も転換期でした。
この先どうしようと悩んでいた頃、中津市に住んでいた知人のところに遊びに行ったり、遊びに行った先で知人もできて。
どうせなら環境をガラッと変えてみたいと考えていたら、仕事の一つとして「こんなのがあるよ」と知人に教えてもらい中津の「地域おこし協力隊」に応募しました。
山田さん:
僕は前職を退職した後、4ヶ月家に引きこもっていたんです。
見かねた親戚が中津市に旅行に連れて行ってくれて、そこで見た景色や関わった人が「なんかいいなぁ」と。
ここに住めたらいいだろうなと漠然と思っていたところ、またその親戚の知人経由で「地域おこし協力隊」のことを知りました。
その頃は夢も希望も正直言って無かったし「どうにでもなれ」と飛び込んで…今に至ります。
地域おこし協力隊としてどんな活動をしてきたのでしょう?
尾上さん:
イベントの企画実行のほか、八面山の案内や保育園の子供たちの登山をサポートしたり。三光地域に関わる範囲なら幅広く活動してきたと思います。
山田さん:
コロナの影響で僕たちはリアルなイベントがなかなか開催できませんでした。それでも何かできることがないかと、日々の小さな活動をコツコツとインスタグラムで発信し続けました。
今ではインスタで僕たちのことを知ってイベントに参加してくれる人もいて、お手伝いしてくれる人も増えました。
やまだくん通信
尾上さん:
それに山田君は手書きで作った「やまだくん通信」を昨年5月から毎月発行しています。
道の駅や市の施設に置かせてもらっています。
山田さん:
お客さん側からしたら、僕たちがどんな人でどんなことをしているのか知らないと、イベントを企画しても参加してもらいにくいだろうと考えました。
なので、できるだけ自分のことを包み隠さず伝えるようにしています。
インスタを拝見すると耶馬溪や山国エリアでも活動されていますがお仕事ですか?
尾上さん:
僕も山田君も地域おこし協力隊とは別にプライベートで「NPO羅漢寺フィールド文化倶楽部」に所属しています。
そこでは旧下毛地区の歴史や秘境スポットの案内をしていて、八面山トレッキングも一緒に企画しています。
また中津市山岳協議会とも交流ができ、八面山の修験の滝周辺の整備を手伝ってもらったり、僕たちも登山道や崖の整備のお手伝いをしています。
(写真説明:八面山からみる桜峠方面の山桜)
(写真説明:羅漢寺周辺に眠っていた仏像様。トレッキングに参加していただくとご案内可能とのこと!)
(写真説明:寒波到来した八面山修験の滝)
プライベートなのになぜ仕事と同じような活動をしているのかと聞かれたら、何か八面山のプラスになればいいと思ったからです。
なんだかもう仕事もプライベートも境界がなくなってしまって。
僕は元々登山が好きなのですが、八面山はなんだか面白い山なんです。
みんな八面山が好きなのに、なかなか発展しない山。
「もっと知ってもらいたい」と色々動いてしまう。
(写真説明:寒波到来した三光地域と八面山)
(写真説明:八面山の絶景スポット「地球が丸く見える丘」)
(写真説明:中津市三光上深水「深泉寺」の春)
山田さん:
「怖い」と言われたり、「電車から見て懐かしい」と言われたり不思議な山ですよね。
尾上さんは本人が言っているとおり元々山登り好きなんですが、僕はここに来るまで山に登ったことなんて無かった。
なのに隊員になってから仕事もプライベートも関係なく山に関わっています。
今でも山好きな人が登るのを見て「なんで登るんだろう?」と不思議に思いながら笑
尾上さん:
僕たち地域おこし協力隊は、地域の人たちの協力なしには何もできないんです。
イベントもできないし人と関われず最初はどうしようかと思いました。
それでも少しずつ八面山やコスモス園での活動で「つながり」を持つことができました。
今の活動を色々手伝ってくれている方の中には、地域の方、市役所の方など色々いらっしゃいます。
前任者の方からのサポートがあるとお聞きしましたが?
尾上さん:
僕らが後任になってからずっとサポートしていただいています。
とてもすごい人たちで、今でも一緒に作業をしてくれたりとたくさんサポートをしてくれています。
山田さん:
前任者の人たちがサポートしてくれるから僕たちも何とかやってこれました。
それに僕にとっては尾上さんもそうです。
企画力と実行力がすごくて。
今年の春に開催した84マルシェは尾上さんが中心となって地域の方と企画しました。
一緒に活動してきて本当によい先輩。時々ハードルもくれますけど。
尾上さん:
笑
前任者以外でも地域の有志「元気会」の方達がずっと応援してくれています。
前任の地域おこし協力隊の時から応援してくれて、一緒に作業してもらい、とても感謝しています。
今どんな活動を主にしていますか?
尾上さん:
コスモス園すぐ横の土地に小屋を建てています。
今年はコスモス園の駐車場の関係で、去年とは違う場所です。
新たに地域の方から土地をお借りしました。
まずは土地の木を剪定したり草を刈るところから始まりました。
小屋は昨年もコスモス園に建てたところ、インスタ映えするのか写真撮影に沢山使っていただき喜ばれました。
それで今年も皆で「小屋を作ろうよ」とすぐ決まりました。
山田さん:
尾上さんが来年1月末、僕が3月末で地域おこし協力隊の任期終了です。来年はありません。
小屋を今年も作るのなら、プラスしてもっと面白いと思ってもらえるようにと「ハロウィンイベント」を開催することに決めました。
尾上さん:
今年の小屋も前任の協力隊の秦さんがデザインしてくれました。
その流れで僕たちも小屋を作り、コスモス園に訪れた人たちに喜んでもらうことができましたが、僕らはあと少しで任期満了。地域おこし協力隊を離れます。
ですが先輩や地域の人たちの頑張り、出会った人たちとのつながりを途切れさせたくない。
今回のイベントもで人と地域に何か流れを作りたいと思いました。
この記事を読んでくれた方に何かメッセージはありますか?
尾上さん・山田さん:
ハロウィンイベントにぜひ遊びに来てください!イベントに人が来てくれるのか、それが心配です。
なので記事のシェアやSNSのフォロー、チラシの掲示や配布など、情報拡散していただける方がいらしゃると大変助かります!
おわりに
中津・三光地域おこし協力隊の尾上さんと山田さんに地域おこし協力隊に応募したきっかけからクラウドファンディングに至るお話を伺ってきました。
インタビュー前に小屋作りの現場へ写真撮影に伺った際、前任者のひとりである秦さんは
「彼らの周りの人がなぜ手助けしているのかは、尾上君と山田君の人柄じゃないでしょうか。それに彼らは突然こんなことをしているわけじゃない。活動を続けたこれまでの集大成なんです」
また秦さんと同じく小屋作りの手伝いに訪れていた「三光コスモス祭り実行委員会」会長の中尾澄孝さんが
「イベントも楽しいけど、こうやって集まって一緒に何かするのが楽しいんだよ」
と仰っていたのが印象的でした。
もし彼らの活動に何かしら興味をお持ちの方がいらっしゃったら是非クラウドファンディングページやSNSもご覧ください。
コスモス園のハロウィンイベント開催日は10月29日(土)です。
最新情報の確認にSNSのフォローもおすすめです。
【中津・三光地域おこし協力隊関連リンク】
昨年までに作った小屋は八面山四季の丘公園に移設されています
▶︎八面山四季の丘公園の小人を探して / 三光地域おこし協力隊山田毅さんにインタビュー
店舗名 | 三光コスモス園 |
---|---|
住所 | 〒871-0102 大分県中津市三光成恒452 |
内容は2024年04月11日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
ぶぜんノート
2021年春に北九州市から豊前市に移住したフォトライターです。
移住前からNOASエリアの歴史のファン。
美味しいごはんと日本酒と温泉が好きです。
歴史写真まとめサイト
https://www.toyonokuniato.com
移住日記
https://note.com/buzen_note
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