暑い夏はひんやりしたいですよね。今夜から3回にわたってお送りするのはNOASエリアの住民が本当に体験した怖い、不思議なお話・・・・。

第1怪となる今回は「ボールの音」です。

普通の高校生だったAさん

これはAさんがまだ高校生だった頃のお話。

Aさんはいわゆる霊感など全くなく、怖がりながらも怪談話を聞くのが嫌いではないものの全く信じていない、よくいるそんなタイプでした。

Aさんは夜更かしが大好きで、夜な夜な自分の部屋で好きな音楽を聴いたり、TV番組を見たりしていたそうです。

ある日、不思議な音に気付く

そんな普通の生活を送っていたAさん。ある日、外からたまに気になる音が聞こえてくることに気が付きました。

ポーン ポーン・・・。

その音はよくある子供用のドッジボールサイズのカラーボールをつくような音にそっくりでした。

最初は気にしていなかったAさんですが、日に日にこの音が気になってくるようになりました。

夜の10時

不思議に思いつつも恐怖心を感じていなかったAさん。音の正体がはっきりしないのも気になるので、音が鳴る時間帯に注目してみることに。

時間は夜の10時・・・。

ポーン ポーン・・・。

近所の子供が習い事の帰りか何かで悪ふざけでもしてるのかな・・・、とも思ったけれど、子供の笑い声や親の声どころか誰の声もしません。外の気配はシーンと静まり返っています。不思議な事にいつもは聞こえるカエルの声もしませんでした。

夜中の2時

不思議に思いつつも夜更かしをいつも通り続けていたAさん。時刻は夜中の2時を過ぎていました。そろそろ寝よう、と思っていた時、また外からあの音が。

ポーン ポーン・・・。

ずっとあのボールをつくような音が続きます。恐る恐るカーテンの隙間からそっと見てみても何もない、誰もいない。ボールをつくような音だけがずっと続いています。自然の音ではない異音にさすがにのAさんも気味が悪くなってきました。

思い切ってカーテンを開けてみる

Aさんは思い切ってカーテンを開けてみました。しかし相変わらず何もない・・・。

今度は窓を開けてみました。怖くなってきたAさんは叫びました。

「誰？！」

すると不思議なことに音はピタっと止まりました。やっぱり気のせいだったのか、とも思いつつ、腑に落ちない思いでAさんはその日は寝てしまったそうです。

それからもそのボールをつくような音はたまに聞こえてきていましたが、Aさんはもう気にとめることもなく無視していた所、いつの間にかその音は聞こえなくなったということです。

忘れていたころに

それから数年後。Aさんはボールの音のことはすっかり忘れていました。

ある日、Aさんが母親と話していた所、びっくりするような話を聞いたのです。Aさんのご近所には霊感があるBさんが住んでいるのですが、母親によるとBさんが「昔、夜に落ち武者の生首がポンポンボールみたいに跳ねたりしてて気味が悪かった。」と言っていたそう。

ちょうど時期を聞いてみるとAさんがボールの音を聞いていた時期と重なります。もちろんAさんは母親にも誰にもこの話はしていませんでした。数年越しにボールの音の正体が分かったAさん。つくづく霊感がなくてよかったと思ったそうです。

あなたの家では夜中にボールのような音、聞こえてきませんか？