豊前市の宇島駅近くにあるスーパーマーケット「マルショク」。豊前市のみならず、他のNOASエリアでも馴染み深いスーパーマーケットのひとつだが、ここマルショク豊前店は地域の人々にとってより深い存在意義を持っている。
様々な理由で今まで色んな店舗が閉店されてきた。一消費者として、閉店する店舗を寂しくも黙って見つめてきた経験をした人はかなりいるのではないだろうか。
小さな個人だから?口出しする権限がないから?
「そんなことはない。想いを伝えることは出来る。」
地区民が今立ち上がる。一体こういう時、我々に何が出来るのか。ライターが立ち上がった地区の方々に取材してきました。
※ライターは新型コロナウィルス感染症予防に配慮した上で取材しています。
信じられないニュース
2020年夏。一報を聞きつけた豊前市八屋の住民に衝撃が走った。
「私たちのマルショクが2021年1月で閉店する。」
これは八屋エリアの住民にとって目を丸くするような、信じがたい話しだった。
マルショクという意味
マルショク豊前店は昭和30年頃から今まで約60年にも渡り営業しており、周囲の病院や銀行などの施設と併せて利用する客も多く、親子3世代でずっと通っている、という人も少なくない。
初代マルショク豊前店が建て替えられ、現在の駐車場の一部に建設された2代目マルショク豊前店。そして現在建っているが3代目。
今でも「昔は店内に〇〇があって、こういう人もいたね、こういうイベントもあった。」と一度話しだすと、思い出話が止まらない。つまりは地域の人々にとって、このマルショク豊前店とはただのスーパーマーケットの企業ではない。地域のブランドであり、ずっと一緒に時を過ごしてきた「仲間」であるのだ。
立ち上がれ!
そんなわけで、今回の閉店の情報を聞いて、いてもたってもいられなかった。
立ち上がったのは八屋の中でもマルショクに近い地区の3人だった。
「仲間」を守りたい!
3人はすぐに対策協議会を立ち上げた。協議会代表の山本和也さん、事務局長の古野厚裕さん、次長の西田静さんだ。
自分たちで出来ることは一体何なのか…。3人がまず動いたのは署名活動だった。
活動
署名活動は八屋の全地区のみならず、宇島地区までに広がり、嬉しくも約3000もの署名が集まった。この署名をマルショク本社の副社長にも渡すことが出来たそうだ。
3人は行政にも相談に行ってみた。残念ながら民間事業の問題なので期待した成果を得ることは出来なかった。
地区や個人で出来ること
「ここから先は私たちは口出し出来ないので、あとは結果を待つだけです。」
と3人。しかし、地域の思いを伝えられたことは大きいのではないだろうか。
「きっと同じ様な思いをしている地区は他にもあるはず。その時に、自分たちがやったように、個人や地区でもこういう風に動くことが出来る、ということをたくさんの人に知ってもらいたい。」
こう話してくれたのは次長の西田さんだ。
ここから結果がどうなるかはまだ分からない。しかし、地域や個人でもダメ元でも何だって、やれることはあるのだ。
現代人は諦めが良すぎる、なんて言葉も聞くが、この3人のように、がむしゃらに思いを伝える努力をすることは今の時代、大切なのではないだろうか。
内容は2024年04月16日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
Yosaroh
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