※無事終了いたしました※11月20日市民劇開催!宇佐を舞台にした朝ドラ誘致を!不可能を可能にした男「南一郎平(みなみいちろべい)」
公開日:2022年08月30日 (更新日:2024年04月11日)
ライター:ジモッシュ編集部
明治時代に日本各地の水利事業に携わったことから「疎水事業の父」と称される人物がいます。
財を捨て、名誉を捨て、文字通り生涯を捧げて人々の幸せのために困難に立ち向かい、多くの枯れた大地を肥沃な大地に生まれ変わらせた人物、それが今、宇佐市で改めて脚光を浴びている郷土の偉人、南一郎平(みなみいちろべい)その人なのです。
1836年、宇佐市金屋に生を受けた一郎平は、父の遺言を受け継ぎ、難工事であった広瀬井路を完成に導いた後、国に招かれ、日本三大疎水の完成にも関わるなど、我が国の殖産興業の隆盛に貢献し、松方正義(内閣総理大臣)からは「隠れたる実業界の偉人」と称賛されるほどでした。
しかし、その一方で、借り入れした工事資金の返済に行き詰まり2度も入牢するなど、決して順風満帆ではない人生を歩みました。
没後100年が経過した今、その波乱万丈の生涯や人々を魅了したその人となりに、再びスポットライトが当てられようとしています。
南一郎平を知る
日本三大疎水と呼ばれる安積(あさか)疏水(福島県)、那須疏水(栃木県)、琵琶湖疏水(京都府)など全国の水利事業に関わり、日本三大疏水の父と呼ぶにふさわしい働きを見せた一郎平。
その活躍の元を辿ると、一郎平の生まれた宇佐市金屋地区の厳しい地理的な条件が見えてきます。
その昔、金屋地区が位置する駅館川(やっかんがわ)の東側は川より20m以上高台にあり、そのほとんどを雨水に頼っていたため、粟や稗などの作物しかできない痩せた台地でした。
そこで、宇佐市院内広瀬から取水し、宇佐市長洲(金屋)方面へ流れる総延長17キロの水路「広瀬井路(ひろせいろ)」の整備が計画されました。しかし、1751年に始まった水利工事は、多額の費用と歳月を費やしたものの非常に硬い岩盤と雨のたびに崩落する柔らかい土質に阻まれて思うように進まず、3回の起業も経ても完成に至らず、ついに休止に追い込まれるのでした。
一郎平は、父親も関わっていたこの事業を受け継ぎ、妻志津の内助の功や日田の豪商広瀬久兵衛の資金援助等を受けながら、不可能と言われた広瀬井路をついに完成へと導きました。
この事業のおかげで駅館川東側の痩せた台地は、現在の肥沃な水田地帯に生まれ変わり、人々の生活は豊かになりました。
次代への伝承
広瀬井路は、完成から150年を経た現在も当時とほぼ同じ箇所を滔々(とうとう)と流れ続け、今も多くの水田を潤しています。
令和2年1月に開催された「南一郎平没後100年・広瀬井路通水150年記念式典」には、一郎平の妻、志津の血縁にあたる女優の賀来千香子さんも駆けつけ、大きな盛り上がりを見せました。
関係者らはその後、この地方創生のお手本ともいえる“広瀬井路”の保存継承や郷土の偉人“南一郎平”の顕彰活動を通じて、水や井路の大切さを全国に届けていきたいとの思いを新たにし、行政をはじめとした関係機関とともに協議会を立ち上げ、朝ドラ誘致活動に取り組むこととになりました。
協議会では、早速リーフレットや動画の制作を図るなど、機運醸成に向け、積極的な啓発活動に取り組んでいるものの、朝ドラ誘致は、全国で多数同じような動きがあり、ハードルが高いプロジェクトであることから、まずはより多くの方々に一郎平の人となりや偉業をしっかり理解してもらいことが重要であると考え、そのツールとして演劇の活用が取りざたされました。
そこで白羽の矢が立ったのが宇佐海軍航空隊を題材とした演劇「トロイメライ」の公演実績を有する演劇集団P-nuts。
彼らが主体となり、地元公募キャストなどと現在、今秋の上演に向け、毎週厳しい稽古が続いています。
タイトル
【市民劇「南一郎平」 命の水 絆の水 ~僕の不思議な夏休み~】
公演日程 令和4年11月20日(日)14時~
公演会場 宇佐文化会館・ウサノピア大ホール
チケット 大人1500円(前売り1000円)
子ども1000円(前売り500円)
※チケット販売は10月1日より販売開始となります。
販売窓口 宇佐文化会館・ウサノピア/宇佐市役所総合政策課
命の水 絆の水〜僕の不思議な夏休み〜あらすじ
壮太は小学5年生。夏休みも勉強そっちのけでゲームに夢中だ。
とうとうママの堪忍袋の緒が切れた!ゲームは没収。
壮太はパパのふるさと宇佐でひと夏を過ごすことに・・・。
退屈で仕方ない毎日。そんなある日、おばあちゃんの持たせてくれたおむすびが不思議な光に包まれて・・・。
市民劇でどのようにストーリーが進むのか楽しみです。
地域の活性化
先述の通り、宇佐市ではNHK朝ドラ誘致の取り組みとして“NHK朝ドラ「南一郎平」誘致推進協議会”を設立し、南一郎平の自伝マンガの電子図書化や誘致促進フォーラムの開催など積極的に活動を展開しています。
また、さまざまな活動が身を結び、昨年末には広瀬井路を含む宇佐のかんがい用水群が「卓越した技術により建設され、かつ、かんがい農業の発展に貢献したもの」として、世界かんがい施設遺産に登録されました。
今後は、国東半島宇佐地域として認定された世界農業遺産とともに、貴重な地域資源として観光や教育など様々な分野での活用が期待されています。
世界かんがい施設遺産に登録により、がぜん勢いづいている「南一郎平」の顕彰事業をNOASエリアでも一緒に盛り上がっていきましょう!
内容は2024年04月11日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
ジモッシュ編集部
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