フォトライター「くぼ2ちゃんねる」が、地元の風景・人・物を通して感じた気付きや感動を、写真を通してお届けします。

梅薫る1

梅薫る2

梅薫る3

梅薫る4

梅薫る5

梅薫る

２月に入り我が家の庭にも紅梅の蕾がほころび始め

うっすらとではあるが心地良い甘い香りを漂わせている。

それでも肌を撫でていく風はまだまだ冷たい。

シャッターを押す指先も少しかじかんではいるが この暖かな色合い

は春の訪れを予感させてくれる。

その時、人の気配を感じたのか近くで犬が「ワン！」とひとつ吠えた。

と同時に数羽の鳥が勢いよく冬空へと飛び立った。

そこに咲く一本梅

そこに咲く一本梅

その日は快晴だった。

豪華絢爛で華やかな桜に対し清楚でその凛とした佇まいが愛らしい

梅の花に魅かれる。

今では花見と言えば桜をイメージするが、その昔奈良時代まで遡れ

ば花見と言えば梅の花だったそうだ。

とりあえず梅の花を撮りたくなってしばし考えた。

そうだ！あそこはどうだろう？ 思いついたのは三光にある人知れず

密かに咲く一本梅。

早速行ってみるとそれはまるで撮られることを待っていたかのよう

な満開状態。この場所の光線状態は午前中早めがベスト。

少し遅れてしまったがまだ背景の竹林は暗く落ちてくれるはず。

夢中でシャッターを押した。

太陽が高くなってきたところで撮影を止めた。

この人知れず咲く白梅の一本梅に今年も出会えたことに

感謝しながら心の中で両手を合わせる。

耳を澄ませば春の足音が聞こえてくるような気がした。