『ライフスタイル 3Rチョイス』は、今年度ラジオ放送を開始し、NOAS FMの番組「NOAS !!ハイスクール」「週末ご機嫌ケイカク」にて放送しています。

ナビゲーターは、NOAS FMパーソナリティ 優さんです。環境問題に取り組んでいるゲストと一緒にお話を伺いながら、地球規模で問題となっている地球温暖化について学び、温室効果ガスの原因となる二酸化炭素を減らしていくために、今私たちができることを、皆さんと一緒に考えるコーナーです。

今回は、過去に放送してきた内容をさらにわかりやすくチョイスしてまとめてみました。

NPO法人 水辺に遊ぶ会の取り組み

■水辺に遊ぶ会

水辺に遊ぶ会は、活動を始めて今年で21年目になります。

瀬戸内に残された生ものたちの楽園「中津干潟」の保全を中心に、大分県中津市周辺の水辺の環境保全活動を行っている団体で、主に、生物の調査や保全に係る活動をしています。

主催行事は、「ビーチクリーン」「自然観察会」「がたふぇす」「松林再生活動」「魚食推進活動」などです。その他、猟師さんの調査のサポートや研究者の方と一緒にいろいろな調査活動を行っています。

■創立者 足利 由紀子 理事長の中津干潟への想い

2020年10月14日午前9時4分足利由紀子理事長が逝去いたしました。

享年57才。足利理事長は、21年前の1999年に水辺に遊ぶ会を創立し、文字通り全身全霊を注ぎ中津干潟の保全に尽くしてきました。地域の方や研究者の方に声を掛けられれば、夜中だろうが、私用があろうがいつでも笑って駆けつけ協力を惜しみませんでした。

まだまだ、やり残したことはたくさんあります。足利 由紀子 理事長の意志を受け継いで、今後も水辺に遊ぶ会の活動を続けていきたいと思っています。

■日韓国際環境賞の受賞

東アジア地域の環境保全に貢献した個人・団体を表彰する、第26回（2020年）「日韓（韓日）国際環境賞」において、日本側がＮＰＯ法人水辺に遊ぶ会が受賞し、韓国側が李会晟（イフェソン）・国連の気候変動に関する政府間パネル（ＩＰＣＣ）議長が受賞しました。表彰式は新型コロナウイルス感染症対応のため11月2日に日韓それぞれで行われました。

■宇宙の温度は何度でしょう？

宇宙の温度はだいたいマイナス270℃くらいと言われています。宇宙空間では、大気がないので人間は生きていけませんよね。

わたしたちは地球上に生活していますけど、とても心地よく生活ができています。

わたしたちが地球上で心地よく生活できているのは、地球は太陽のエネルギーで温められ、さらに大気圏にある温暖化効果をもたらす【温室効果ガス】という気体があるからです。

もし地球に大気が無かったら、地表の温度はマイナス18℃くらいになると言われています。

大気のある今の地球の地表の温度は15℃と言われています。温室効果ガスの効果が30℃くらいあるので、温室効果ガスがあることでわたしたちは心地よく生活ができているのです。

■酸素のある星　地球

酸素がある惑星は、植物が光合成をし、酸素を作っています。

地球環境というものは、星が生まれた最初から今の環境ではなく、生き物が地球環境と係り合いながら作っている環境なのです。宇宙や地球、その環境を知ることにより、地球温暖化について学び、今私たちができることがわかってくるのではないでしょうか。

■地球と生命の誕生

地球が生まれたのは、現代の科学では、およそ46億年前ではないかと言われています。

そして、生命が地球に生まれたのは、40億年前という説もあります。地球に生きもの達が生まれ、地球環境に適応し数も種類も増えていきました。生きものは環境に影響を与え、環境を作り変え、地球の環境を劇的に変えていったのです。

誕生したばかりの地球には酸素はほとんどありませんでしたが、約30億年前に光合成を行う生きものが生まれたと言われており、その光合成を行う生き物が二酸化炭素を利用しながら酸素を作り出したのです。

■地球のバランス

二酸化炭素を利用し酸素を出す生物もいれば、酸素を利用して二酸化炭素を出す生物もいる。バランスがよければ安定した状態が保てるのですが、現在のように二酸化炭素が増えすぎると、地球温暖化となり、安定した環境が保てなくなります。

■地球の歴史と人間の責任

地球の長い歴史をみると、二酸化炭素が減ることによって地球は寒冷化し、7億年前に全球凍結となったり、南極や北極の氷が溶けて強烈な温暖化となり大嵐が地球を襲ったりという時代もあります。地球は過去に、何度も寒冷化や温暖化を繰り返してきました。その度に、生きものは大きな影響を受け、多くの種が絶滅したりしています。

今起こっている二酸化炭素の増加等による温暖化は「ヒト」が起こした物。

この事実は、「ヒト」は、ある意味で地球環境を作りかえているということなのです。

地球温暖化は、人間の責任でもあり、またそれを変えられるのも人間ではないでしょうか？

今の豊かさを継続していく為には、自然の恵みを大事にし、私たちは温暖化について考えていかないと大変な時代にきているのです。

■海水面の上昇

北極の氷は海の上に浮かんでいるので海水面は上昇しませんが、地球温暖化で海水面が上昇すると言われているのは、陸の上にある氷が融けるからです。

陸の上にある氷が融けてしまうと、コップの外から水を注ぐのと同じ状態になるので、海水面は上がります。陸の上にある氷とは、グリーンランドや南極などの大陸にある厚い氷や、氷河や氷床と言われるものですが、グリーンランドや南極などの陸地の巨大な氷が融けて海に行くと海水面はどんどん上昇します。

海面の上昇が進むと、私たち日本人が暮らす島国では、多くの面積が海に飲み込まれてしまうかもしれないですよね。

■未来への選択

地球温暖化で海水面が上昇すると、生き物への影響として、シミュレーションでは2割から3割の生物種が減っていくという影響があります。このような事にならない為にも、地球規模で温暖化の問題について取り組んでいかなければいけません。

良くない未来は変えられます。温室効果ガスの排出量をコントロールし、日々の生活の中で二酸化炭素を出さないような選択をしましよう。

■わたしたちが住む中津市への影響

中津市の「中津干潟」でも、温暖化の影響ではないかと思われることはいくつか出てきています。現在、海苔の種付けを行っています。（令和2年10月現在）　海の温度が冷たくなると海苔は育ちますが、本来は秋頃だったのですが、だんだんと冬にずれこんできています。

また、いろんな生き物にも変化があり、南の方にしかいなかった生き物が、北の方にある中津の海でも見られるようになりました。

今は、子供の自然体験など少なくなってきたと言われていますので、水辺に遊ぶ会が行っている観察会にぜひ参加して頂き、生き物の変化や体験をしてくれたらうれしいです。

あとがき

様々な視点から環境問題についてお話をしていただきました。

ライフスタイル 3Rチョイスを通して、「今私たちができること」を一緒に考え、少しでも興味をもっていただき、環境問題について考えるきっかけになればと思います。

NOAS FMは、地球温暖化防止の啓蒙活動に取り組んでいます。

地球温暖化は現在進行形で起こっている深刻な問題です。　誰でもできる身近なことから、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の排出を減らしましょう。